記事一覧 9件中 4-6 を表示

「大江健三郎とボブ・ディランと私」

(2016-11-08)

これは、昔、高校卒業の文集編集長が私に課した「課題」であった。
当時の私は、「万延元年のフットボール」の濃密な文体に惹かれ大江の全集を買い込んだ。
また、ラジオから流れてきた「ライク・ア・ローリング・ストーン」にノックアウトされた感じで
次々と発売されたボブ・ディランのアルバムを買っていた。

奇しくも、この両人がノーベル文学賞の受賞者となった。
二人は突出した芸術的才能を有している。
また、共通している点として、一般社会とのコミュニケーションが必ずしもスムーズと言えないところがある。
大江はノーベル賞受賞を快諾したが、文化勲章は拒否した。
ディランはオバマ大統領からの勲章を快諾したがノーベル賞の受諾までに、長い時間がかかり、
関係者から、「無礼で傲慢」と非難された。
両人とも、一般人からは理解されにくい「葛藤」があり、熱心なファン以外からは誤解されることが少なくない。
作風も、大衆性に欠ける点で共通である。

私は、ディランが初来日したとき、東京公演8回を全て聴いた位のマニアだったから
ことあるごとにディランの曲を聴くよう知人に薦めたものだが、本当に好きになった人は誰もいない。

身も蓋もない話になってしまったが、ノーベル賞を機会に初めて聴いてみる、
あるいは聴き直してみたい人のために、私の推奨曲をダメモトでいくつか挙げてみる。

「明日は遠く」(Tomorrow is a long time)
 最初期の曲でスタジオ録音は未発売のはず。
 「ボブ・ディラン・グレーテストヒッツVOLⅡ」所収。
 初期ライブにおける声の魅力と奇跡的表現力。

「ラモーナに」(To Ramona)
 アコースティックからロックへの移行期の「アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン」所収。
 ラモーナへの思い入れの深さがよくわかる。

「ミスター・タンブリンマン」(Mr. tambourine man)
 傑作アルバム「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」所収。
 文学として自立した詩。ドラッグによるトリップ?

ディランにとって、どのような賞よりも、素晴らしい勲章は、例えば、次のような逸話である。

アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏がディランの熱烈信者で、
推奨曲(プレイリスト)を残しているだけでなく
数千枚といわれるディランのブートレッグ(海賊版)すべてを買いあさって保有していたことが
このノーベル賞騒ぎで明らかになった、、、。

BOB DYLANS GREATEST HITS vol.Ⅱ Bringing It All Back Home THE FREEWHEELIN HIGHWAY 61 REVISITED

On va déjeuner?

(2016-09-16)

虎ノ門でおしゃれなランチと言えばここ、
「LE PETIT TONNEAU」

パリのビストロ風な店内もいいですが
これからの季節はテラス席がおすすめです。

2016・9・16

アイリッシュフルートと梅笛(ばいてき)

(2016-08-22)

クラシックミュージックは興味が薄いのでコンサートにはあまり行かない。
しかし今年の春、ミニコンサートに行くことになった。

カルテットの中にアイリッシュ・フルートという楽器があった。
初めての楽器であり、その音色を確かめるように聴いていた。
その奏でる音は自分にとって、とても気持ちのいいものであった。
二曲目になり、これは昔どこかで聞いた音色であり、
そのため気持ちがよくなったことに気づく。
それは子供の頃に聞いたお祭りのお囃子の笛の音と似ているのである。
演奏後、奏者にお聞きしたらアイリッシュ・フルートは木製とのことであった。
私が懐かしく思った音色の理由もそこにあった。
田舎のお祭りのお囃子は、小太鼓、大太鼓、摺鉦(すりがね)と笛という
一般的なものであり、それを山車の中で演奏する。
笛は木製で50年以上も経った太い梅の木から作られる。
梅笛(ばいてき)という。
日本一太い笛とも言われている。
なぜお囃子の笛が梅笛になったのかは、各町内がお囃子の競争をしていると
笛の音の威勢の良いほうが勝ってしまうので、全町内がそうなったのであろう。
明治時代のことである。

ネットには、「人々は『三里響く』と言われた“梅笛”の音色に驚嘆するばかり」とある。
具体的に音色を文章にするのは難しいが、竹笛の音は通常「ピーシャラ」と表現されるが、
梅笛は「ビービーピー」という感じの低音で根太いのである。
お囃子の中で一番遠くまで聞こえるのは笛といってもいい。
通常、お囃子の中では笛が唯一のメロディー楽器である。
しかし、梅笛はメロディー楽器というよりリズム楽器の側面が強いのである。
ジャズコンボでピアノがリズム楽器であるようなものであろう。
この梅笛のことをアイリッシュ・フルートの演奏者に話したら、
非常に興味をもっていただき、「今年の山車祭りには聴きに行く」と言っておられた。
連絡先も聞かなかったので実際にきたのか、こなかったのかはわからないが
私は今年の夏季休暇を両親、先祖の盆供養とともに、
8月13日、14日の二日間の山車祭りで、梅笛の音色を愉しんできた。

またアイリッシュ・フルートを聴きたくなってきている。
趣味がひとつ増えたことは愉しいことである。

2016・8・22 Mr.アルペジオ

アイリッシュフルート 梅笛、一番下は竹笛